次世代モダリティ研究所

次世代モダリティ研究所
所長 坂田恒昭 (医学博士)

[研究内容]

医薬品の形は大きく変化してきています。以前は低分子化合物が医薬品の形として主流でしたが、近年は身体の構成成分である蛋白質もしくは核酸が新しい薬の形として受け入れられています。特に異物に対する生体防御として働く抗体が医薬品の形を大きく変革させ、抗体医薬品として医薬品の主要な形として市場をリードしています。特に抗がん薬、抗自己免疫疾患薬にこの傾向があります。しかしながら、現在の新しい医薬品の形(モダリティ)である抗体医薬品やその後に出てきた核酸医薬品の基本概念は日本で発明されたものではありません。そのために現在医薬品の貿易収支は大きな赤字になっています。今後、病気で苦しむ患者さんを救うために世界をリードできる医薬品のさらなる新しい形が求められています。これにはITCとライフサイエンスを融合させたデジタルアプリも含まれています。本研究所では、患者さんを救うために医療を変える次世代のモダリティについて研究します。

(略歴)
大阪大学・理学部・生物学科卒業
大阪大学大学院・理学研究科・生理学専攻修了
米国カリフォルニア大学・ロスアンゼルス校 (UCLA) ・外科学・泌尿器学教室・客員研究員
塩野義製薬株式会社研究所入社
(現在の役職)
塩野義製薬株式会社・シニアフェロー
大阪大学共創機構・特任教授
大阪大学サイバーメディアセンター・招へい教授
徳島大学研究支援・産学官連携推進部・客員教授
(独)日本科学技術振興機構(JST) JST-CRDS 研究開発戦略センター ライフサイエンス・臨床医学ユニット 特任フェロー
国立研究開発法人産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門 顧問
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)PO、評価委員多数
大阪商工会議所 ライフサイエンス振興委員会 副委員長
日本オミックス医療学会 顧問
情報計算化学生物学会(CBI学会) 評議員
特定非営利活動法人 近畿バイオインダストリー振興会議 副理事長
特定非営利活動法人 バイオグリッドセンター関西 理事
特定非営利活動法人 バイオビジネスステーション 理事
他多数

平成26年 大阪府薬事関係功労者知事表彰(薬学研究)

(著書)
単行本
1. 遺伝子医療 「組換え蛋白質が医薬品になるまで」(財)名古屋大学出版会 斎藤英彦・吉田純 編 2000年
2. バイオの衝撃 「世界のバイオクラスター最前線」日刊工業新聞 岸本 忠三 監修 日刊工業新聞特別取材班 編 2003年
3. ゲノム創薬 坂田 恒昭 著 薬事日報社 2005年
4. コンピューターで薬を創ろう 「まえがき」、「1章 医薬品産業におけるイノベーション」、「6章 創薬バリューチェインのとりくみ」 化学同人 創薬バリューチェイン 編著 2009年
5. 日本のバイオイノベーション 「第5章 製薬イノベーションにおけるオープンモデル」 白桃書房 元橋 一之 編著 2009年
6. 臓器円環による生体恒常性のダイナミクス 実験医学増刊号「第5章 新しい生命科学研究としての「臓器円環のダイナミクス」 4 生体インフォマティクスによる創薬」、羊土社、永井良三・入來篤史編 2013年
7. 生体バリア 実験医学増刊号「第5章 バリア研究における今後の展望 2 メタゲノム解析の国内外の状況と今後」、羊土社、清野宏・植松智編 2017年

他論文多数